ディオールオムのジャケットは、ぱっと見、UKっぽいよね。レスポールというよりテレキャスター。ストレートでガツンとやるにはテレキャスがぴったりなんです。でも単純な構造ってそれだけ繊細だということでもあり、弾く人の soulに左右されてしまうという。ディオールオムのジャケットもちょうどこれと同じことで、クリスチャンディオールはあんなに気取っているのに、ディオールオムのジャケットは、抑えた色味に凝ったディティールで勝負しています。単純な構造に、じつは洗練された、ヒリヒリするような荒削り感。驟雨の路地裏...

ディオールオムのジャケットを好んで着ているのは、ある一部の人たちでしょう。価格を下げても、逆に上げても。価格は関係ないよね。ほんとに欲しけりゃ高くても買うから。まず「いいなあ」って思わない人が半分ぐらい消えて、「自分には似合わないな」でさらに消えて、残りの数パーセントがお手頃価格だし買うかみたいな。ディオールオムのジャケットは一般的じゃないですね。こういってよければ夜のプライベートな酒臭い場所（笑）がお似合いです。たとえば結婚式の招待客として着たらどうよ。あるいは合コンとか。会社の飲み会とか？ ...

いちばん似合うイメージは、ワケありの少年ですよ。あたたかい家庭で、すくすくと育った少年には、着られてしまうかな。っていうか、そういう人は選ばないでしょうね。なにか「ある」人が選びます。「ある」人だからこそ、テレキャスターは、いい音を出せるんです。ひずんだ中低音を、ガツンと鳴らします。世の中のすみずみまで響き渡れ〜、ってなもんです。大勢の人々に囲まれていても孤独な人ですね。ちゃんと孤独を知っている人です。ヒリヒリするような荒削り感は、作られたものじゃなくて、にじみ出てくるものだよね。がそこは野暮じ...

お客を選んでいることは確か。ブランドだから、べつに、選んでも、いんじゃない？ 感性が合えば。
なにか「ある」人が着れば似合いますよ。年齢関係なく。某ブランドのジャケットのように、お金の力で横っツラひっぱたくみたいな、ある意味、誰でも似合うようなジャケットじゃないから。ちなみに、女性が着ても似合いますよ。サイズは肩のラインを合わせれば大丈夫です。なにか「ある」人で身体細身限定ですけど。いまはユニセックス基本なんで、女性だから男性のジャケットを着ちゃいけないなんてことはないから、こちらも感性が合えば...